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越乃雪の素材
『越乃雪』は、越後特産の美味しい餅米を当店独自の製法で粉砕した粉と四国特産の和三盆糖を押し物にしたものです。シンプルな素材を使うからこそ、素材にはこだわり、気候によっての味の変化もございますので加減も230年前の方法を伝承しながら工夫を重ねております。
和三盆糖は徳島の岡田製糖所のものです。こちらは230年前の創業当時から使わせていただいています。北前船の大海運業者銭屋五兵衛の資料のなかにも『越乃雪』の記述がみられます。阿波の国徳島から和三盆糖が日本海を北上して運ばれていました。昭和初期までは流通が今のように発達しておらず、収穫が終わって精製された和三盆糖が年に数えられる回数で運ばれてきたために、蔵の中に1年分の和三盆糖が積まれ、先代が幼いころには蔵に近づいただけで甘い匂いが辺りにしていたそうです。
当店で『越乃雪』に使用している和三盆糖は「生」という呼称の和三盆糖です。一般の和菓子に使用されている和三盆糖は「かわき」と呼ばれており、打ち物やまぶしに多く使われており食感もさらさらしております。「生」は水分を多く含み、重たい感じがしますが、和三盆糖独特の風味は一段と強いように感じられます。「生」は岡田製糖所さんで当店用に調整していただいており、『越の雪』の命になるほど大切な素材です。
もう一つの大切な素材であります糯米の粉も『越の雪』のためだけに加工したものです。これは糯米を炊いてから天日干しにする行程を含んでおり、その他にも当店独自の方法を用いているため厳密に言えば寒晒し粉(現在は白玉粉とよばれる)とは呼べないものかも知れません。
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